不動産以外の在庫や機械設備などの資産を利用して資金調達を図ることが可能となりました。
▌例えばこんな場合
- ①太陽光発電設備を担保に融資をうけたい。
- ②太陽光売電エネルギーの電力会社への売掛金債権を担保に融資を受けたい。
▌動産譲渡登記について
動産の譲渡は,その内容を動産譲渡登記することにより第三者対抗要件を備えることができます。これは,民法の原則(引渡し)に対する特例として認められるものです。株券(交付が譲渡の効力要件)や、自動車や船舶(他の登記・登録制度がある)以外の動産が動産譲渡登記の対象となります。なお、動産譲渡登記の譲渡人となることができるのは、法人に限られます(譲受人は、個人でもかまいません)。
▌債権譲渡登記について
債権(金銭債権)の譲渡などについて、その内容を債権譲渡登記することにより、債務者以外 の第三者に自己の権利を対抗することができます。これは、民法の原則(確定日付のある証書によって債務者へ通知するか債務者の承諾)に対する特例として認められており、債務者が多数いても,簡易に第三者対抗要件を備えることができます。なお、債権譲渡登記の譲渡人となることができるのは、法人に限られます(譲受人は、個人でもかまいません)。
▌資金調達と担保提供の方法(太陽光発電設備の場合)
太陽光発電事業は、土地に発電施設を設置し、売電しておこないます。
土地の利用形態は、所有権(自社土地でおこなう)、賃借権・地上権(他者の土地を借りておこなう)が考えられます。
この事業の資金調達は、これらのもの(①発電施設、②売電、③所有権、④賃借権、⑤地上権)を担保提供しておこなうことになります。
①発電施設と④賃借権は、動産譲渡登記を利用できます。
②売電は、債権譲渡登記を利用出来ます。
③所有権と⑤地上権については、抵当権を利用しておこなうことになります。
また、①発電施設と③所有権は、工場抵当の利用も可能ですし、①発電施設と③所有権、④賃借権、⑤地上権は、工場財団の利用も可能です。